書籍・雑誌

2010.10.10

2010年読了記録28:『ふたたびの虹』

Photo_3

柴田よしき著、祥伝社文庫。

評判を聞いて、ポチっと押して取り寄せました^^

素敵な小説でした~happy01

短編集とも言えますが、「ばんざい屋」の客たちにまつわるエピソードと並行して、女将の秘密が明らかになって行く面白さもあるし。

そして何と言っても、女将の作るお料理の数々^^
お料理ネタの小説って好きなんです。
そして…、私もこの女将のように、お料理を作れたらなと…

最後の章が、特に色んなことを考えさせられました。
私も、穏やかな人になりたいな、とか…

見た目、穏やかに見える?ようですが、その実、中身はちっともそうじゃない。
中身も、いつも心が静かで、ざわついたりしないような。
いつも心が微笑んでいるような。そんな人になりたいなとconfident

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年読了記録26,27:『森のなかの海(上)(下)』

Photo

Photo_2

宮本輝著、光文社文庫。

宮本氏の小説というと、失礼ながら不倫ものが多い…という印象を抱いてしまった私^^;
この本も例にもれず、冒頭はとんでもない夫の素行が明らかになる…というところから始まります。

でもそれは端緒に過ぎないことと、妻が自立していく過程が描かれていることで、そんなに気にならずに読むことができました。

まぁ、なかなかあり得ない設定ではありますが、小説として、ぐいぐいと先を読ませる力をもった作品で、最後まで惹き込まれて読み進みました。

ターハイとはどんな木なのか…何かモデルがあるんでしょうか。
見てみたい気がしますconfident

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.09.13

2010年読了記録25:『阪急電車』

Photo
有川浩著、幻冬舎文庫。

単行本が出た時から、へぇ~と興味を惹かれていたのですが(なにせ良く知ってる路線の話だから^^)、文庫本しか買わない!主義ゆえ、今回文庫になってやっと読むことができました。

阪急今津線を舞台に繰り広げられるお話。
実際、あまり乗る機会はないのですけど、阪神間の高級住宅地を走る路線、というイメージがあって、どの駅も憧れでした。
各駅について細やかに描き込まれているので…、小林、なんて、思わず私も住んでみたいよ、と思ったり^^

そして、一つ一つのお話は何てことないストーリーなのだけど、それを駅に絡めて描いているところ、またそれぞれの話が独立してるんじゃなく、つながって発展していくところ…が面白いですね。

登場人物の中で、私が特に心惹かれたのは、やっぱり時江さんですね。
現実の場面で、あんな風に知らない人にさりげなく声を掛けたりすることはないだろう…と思うけど、何か素敵なおばあちゃんでした。
あんな風なおばあちゃんになりたいな、なんて^^

この作品、映画化が決まっていて、主演は中谷美紀さんとか。
どの役だろう…?と思ってぐぐったら、はぁ、やっぱりあの役ですか^^
でも全編に顔を出す役ではないし(そんな役はない)、どんな風に作られるのか興味ありますね~

しかも、ニュースによれば、
「撮影は2010年12月にクランクイン、オール関西ロケを敢行。舞台となる阪急電鉄も撮影に全面的に協力を約束し、また地元宝塚ということから宝塚歌劇団の美女たちのカメオ出演も期待される。」
ですってぇ~~~happy01
そういえば、宝塚を観に行って云々…なんてエピソードはなかったのが残念でした^^;

ところで作者の有川浩さん、私は漢字の字面だけ見ていたので、女性と知ってびっくり。
柴田よしきさんだって、最初は女性と思ってなくて…coldsweats02

こうして、波長の合う女性作家さんが増えて行くのは嬉しいことです^^
今までの傾向からしても、私はやっぱり女性作家さんの作品に惹かれることが多いようなので…
浅田次郎氏は例外ですね。

柴田さんにしろ有川さんにしろ、多作なうえに、web上でブログや日記も公開していらして、そんな面も合わせて楽しむことができます。
それにしてもすごいなぁ…いや、書くものの量が。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.09.04

2010年読了記録23:『小袖日記』

Photo
柴田よしき著、文春文庫。

『やってられない月曜日』以来、気になる作家さんだった柴田よしきさんの文庫新刊。

主人公が平安時代にタイムスリップして、「源氏物語」の執筆を手伝う羽目になる…なんてオビを見ただけで即買いでしたわ^^;
そんな経験、私だってできるものならしてみたいって^^

で、読み始めたものの、最初は源氏物語をなぞるだけなのかと思って、それだったらつまんないよな~と読み進めたのですが、最初の「夕顔」からして、どんでん返しというか、そう来たかーーー!という爽快感が半端なく。

ネタばれは控えますが、源氏物語のさまざまなエピソードは、実はこうこうこういうことだったんですよ、と執筆裏話が明かされ(もちろんフィクションなわけですけどね)、それを紫式部(ここでは香子さま)がこういう風に書いたんだ、という…

その裏エピソード?のなかに、平安時代の習俗なども織り込まれ、それが現代の女性が向こうの世界に迷い込んだという設定だから、とても生々しく感じられる…

そして、実はこうだった、という話の落とし方が、胸がすく、というか、解説文にもありましたが、本当に、女性応援歌の側面もあって、非常に読んでいて痛快です。
その頃はもののけの仕業とか思われていたことを、現代の病気に置き換えて解き明かしているのも面白かったし。

最後の最後、主人公がまた戻ってくる件はとってもSFチックな展開になりましたけども、この本、源氏物語のファンの人も、源氏物語が嫌いな人も、どちらが読んでも楽しめると思います。
ただもちろん、源氏物語の概要を知っていないと面白くないと思いますが…

ますます柴田よしきさんのファンになってしまった1冊でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.08.15

2010年読了記録22:『錦繍』

Photo_2
宮本輝著、新潮文庫。

宮本氏の小説を読んだのは初めてです。
書簡体の小説というのも初めて読みました。

実際、こんな長文の手紙を手書きで書かないだろー、という突っ込みは置いておいて(笑)

お話としては面白かったし、文体も好みでした。
なので、引き込まれて読んだことは読んだのですけど…、すみません。
私は、不倫ものは嫌いなのです(ばっさりsweat02

この小説のヒロイン、勝沼亜紀さんの人生ったら、可哀想すぎます。
最初の夫にも今の夫にも裏切られ、授かった子供には障害がある、なんて…

それを、男性の口からは、「男の浮気というやつは、もう、しようのない本能のようなものです。男はそういうふうに出来ているのです。」と語られた日には…think
そういう視点が前提となってすべてが成り立っているお話なので、なかなか素直な気持ちでは読めませんでした。

感銘を受けたのは、亜紀の言葉、「何が何でも<いま>を懸命に真摯に生きるしかないではありませんか。」というところで、本当にそれはそうだと思いましたが…

うううむ。
人生の機微に触れた、優れた小説かも知れないですが、設定部分で受け容れ難かったのが残念でありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年読了記録21:『くじけないで』

Photo
柴田トヨ著、飛鳥新社。

98歳で処女詩集を出された柴田トヨさん。
今現在は99歳。
先日、日曜朝のNHKニュースで紹介されていて、すぐにポチ!とAmazonで購入してしまったのでした^^

詩作を始められたのが90歳を過ぎてから。
ご主人を亡くされて以来、一人暮らし歴が18年。
TVで拝見したトヨさんは、凛として、また可愛らしく美しい方でした。
産経新聞「朝の詩」コーナーに投稿して入選を重ねられていたようですね。

その生きる姿勢に、たくさん勇気をいただいた気がしました。
詩にはときにユーモアもあふれ、やさしく語りかけてほっこりさせられたり、トヨさんの生きる姿勢に胸を打たれたり…

私もこんな風に、人生と正面から向き合って、凛として生きて行きたいなと、思わせられました。

夫の母がとても気に入りそうだったので、プレゼントしようと思ったのですけど…、ちょっとそれは控えてしまいました(汗)
ご主人を亡くして一人暮らしで、息子さんとは一緒に暮らせなくてでも毎週訪ねてくれる…というその生活ぶりに、自分の将来を重ねてしまったら…と思って(大汗)

どこかでこの本に出会ってくれたら良いな、と願いつつ^^

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.08.01

2010年読了記録20:『告白』

Photo
湊かなえ著、双葉文庫。

今話題の作品、映画も公開中ですね。
映画より本を読むのが先になりました。

念のため、以下の文章にはネタバレありですので、ご注意ください。

…怖かったですねぇ。
事件に関わった人たちそれぞれの「告白」が順に綴られているのですが、その一つ一つにもあっと驚くどんでん返しがあったり。

個人的に、一番印象に残ったのは二番目の告白の中にあった文章で…、どんな残忍な犯罪者に対しても裁判は必要なのでは、それは犯罪者のためではなく、世の中の凡人を暴走させるのをくい止めるために…という件でした。

「良いことや、立派なことをするのは大変です。では、一番簡単な方法は何か。悪いことをした人を責めればいいのです。」(84ページより引用)

こういうことがエスカレートしていくと、中世ヨーロッパの魔女裁判のようになると…
また宝塚つながりになりますが、音楽学校の裁判沙汰についてのネットでの騒ぎなどを思い出してしまったのでした。もちろん、誰が悪いかははっきりしている訳ですが、それこそ、「自分たちには裁く権利などない」わけですし…

まぁこういった感傷も、読み進めて行くうちに吹っ飛んでしまったのがこの本の怖いところでした。

しかし、犯人の動機が母親の愛を得たいという願望だったというのは、いささか「絵に描いたような」結末だよなぁ、と思ったのですけれども、巻末の、映画監督をされた中島哲也氏のインタビューに、「彼らが真実を話しているという保証なんかどこにもない」とあるのを読んでまた怖くなった(笑)

こういう風に考える監督さんが撮った映画がどんなものになっているのか、見たいと思いましたね。
今週で終わってしまう映画館が多いようですが、探せばまだ見られそうなので、機会があったらぜひ、見に行きたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.15

2010年読了記録18:『やってられない月曜日』

やってられない月曜日
(画像はありません)

柴田よしき著、新潮文庫。

何でこの本を買ったかというと、新刊平積みの中から、「働く女性のリアルな日常とホンネ」という帯の文言に惹かれたのと(笑)、主人公が出版社勤務…?とか、そういうところからつい手が伸びまして^^;
やっぱりそういう業界に興味があるわけですよ、ええ。
(一応、私の勤務先も出版会社ではあるわけなのですけど…)

それで、著者の柴田よしきさんのことは全く存じ上げなくて、お名前から男性かと思ってたら女性で、あれ~と思ってぐぐってびっくり。
私と同い年で、OL?勤務の後、結婚・出産を経て作家業に入られたとある。
ご自身のブログを見に行ったら、お子さんが大学生になったところ。
ものすごい多作な作家さんなんですけど、こういう日常生活と創作活動を両立できるというのは、本当にすごいなと思います。

さてさて、この本は、各曜日が章のタイトルになっているのですけど、その一日ごとの短編、というわけではなくて、発端はその曜日でも、それぞれのエピソードごとに時間は流れ、そして全部がつながっているという構成。

そして主人公は経理部で趣味は1/150の模型作り、主人公のお友達は庶務課で、BLの同人誌作ってコミケに出してる、と^^
そこまで分かって買ったわけではなかったのだけど、この設定がひじょーに身近というか、いや、宝塚にはまっている自分にとっては「分かる」部分が多いというか、ねぇ^^;

編集の仕事をしていた時は、仕事そのものがクリエイティブ(本を書いてたわけじゃないけど、本を作ってたことは確か)だったけれど、いまは、仕事にクリエイティブな部分はない。

宝塚だって、観て楽しむものであって、自分で何かを生み出せる趣味ではないけれども、私にとっては、ブログに書いたりすることで、ある意味、「表現欲」を満たしているようなところもあるんだと思う。
だから、趣味でバランスをとっている寧々や弥々にはとても通じるものを感じたのだった^^

最後の章で、会社の模型作りを始めて1年経った寧々が、「自分が変わった」「優しくなった」と思う、という記述がある。
それはきっと…、自分のいる場所の模型を作ることで、俯瞰というか、高い視点から、客観的に自分と自分のいる世界を見ることができるようになったから、なのではないかな、と思った。

「縁(えにし)」か…
「出会いは奇跡~」なんて歌詞もありましたね^^あれは右京さんの^^
とどんどん話があっちに行ってしまうので(笑)このへんで…

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.07.04

2010年読了記録17:『おそろし』

Photo
宮部みゆき著、新人物ノベルズ。

お待ちかねの宮部みゆき…、文庫新刊を待ち切れず、ノベルズになった時点で買ってしまいます^^
ノベルズ、好きなんですよ。二段組なところが(笑)
ぎっしり文字が詰まってる感が、読む気を誘います。

さて、この作品は、宮部みゆきの江戸もの、怪異・不思議譚シリーズ?「変わり百物語」のシリーズ1冊目なんだそうです。
いわゆる「百物語」系の本は珍しくなく、例えば浅田次郎の「沙高樓綺譚」シリーズなんかもそうだと思うのですが、語られるシチュエーションは同じでも、それぞれの話は独立しているのが普通ですよね。

『おそろし』の場合は、それぞれの話は別物でありながら、聞き手のおちかの体験を通して全てがつながっていくところが特徴であり、面白いところかと…

最後の最後で、SFチックな展開になってしまい、ええ~っとなりましたが、おかげで全てつながって大団円、と^^
聞き手のおちか自身の成長を見守れるところも、いつもながらの宮部みゆきならではの魅力ですね。

続編を楽しみにしています。


| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.06.20

2010年読了記録16:『さくら色オカンの嫁入り』

Photo
咲乃月音著、宝島社文庫。

なぜこの本を読んだかと言いますと…、そう、この作品はこの秋映画化&舞台化されるのですが、舞台版の「オカン」を、他ならぬタータンが演じることになったと聞きまして…
そら読んどかんと!と、即Amazonでぽち!としました^^

温かくて素敵な小説でした。

娘の一人称で書かれているんですが、文章もすべて大阪弁なので、大阪出身の私は、音読する訳やのうても、自然に大阪弁が頭の中に流れて読んでしまいます。

でもこれ、大阪nativeでない人が読むときは、どうなんやろ…読みにくいんやろか(笑)

何より問題なのは、タータンが大阪出身やないということで!
道産子タータン、いかに耳が良くても、nativeな人たちに違和感のない大阪弁で舞台を務めるのはハードル高いでっせ…(今までも、それで感動を削がれたことは数知れず@大阪弁の舞台やTVドラマ)

大阪弁はともかく、映画でオカンを演じる大竹しのぶさんは、もう自然に「オカン」が想像できるのやけど、タータンはどうやろか…。
でも、大竹さんとはまた全然違うオカンを魅せてくれるやろうと期待してます。
大阪弁達者なキャストの方もいらっしゃるのが心強いし^^

ところで、ネタバレになってしまいますが、どうも設定が「食堂かたつむり」と被るのが少し気になりました。
まぁ、まったくの偶然なのでしょうがね。

母と娘の物語を、娘の視点から描いていること。
娘の父親はいなくて、母に新しいお相手が現れること。
そしてそのとき、母は病で余命いくばくも…という展開になること。
また、「料理」が形は違えど重要な位置を占めていること。

それから、いま思いついたことだけど、動物が重要な役割を果たしていることもだ。
オカンの嫁入りに出てくるハチって犬ね、何とハチ役の俳優さんがいるようなのですよ^^
(その方のブログを拝見して知りました)
犬役を人間が演じるってーーー?どんなんか、気になる気になる~^^

原作と舞台版の違い、また、舞台版と映画版の違いも見比べたくなってしまうでしょうね^^
この秋、楽しみです!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧