2年前の8月末に派遣された医学系の出版社(と一言では片付けられない業務内容ですが、一応そういうことにしておこう) 今に至るまで私の職場となっている会社です。
派遣として働き始めてから1年と8ヵ月あまり過ぎた、今年のゴールデンウィーク明け。「話がある」と上司に会議室へ呼び出され…、正社員にならないか、という打診がありました。
そこで、もちろんその場で即お返事はしなかったものの、色々考えるより前に、ほとんど気持ちが前に向いていたのは。GW明けで、ああ今月もお給料少ないなぁ~(出勤日数が少ないから)、なのに交通費負担は辛いよな~と、ちょうど派遣としての悲哀を感じていたところだったのもありますが。
まず頭に閃いたのは、アイムでことある毎に聞かされていた、「チャンスの神様には前髪しかついていない」という言葉でした。あれこれ考えているうちに、チャンスは目の前を通り過ぎてしまって、後からつかもうと思ってもつかめない、と。そういう姿勢をアイムで叩き込まれてきたのが、やはり効いたようですね^^
正社員となって3ヵ月あまり過ぎました。一応、今月から本採用になったはず。
外資系の会社ですから、手当や休暇の面では、法律で定められている、ぎりぎりの保証しかありません。でも、それでも派遣とは雲泥の差です。やはり、色んな面で「守られている」という気がします。
何より大きいのは、やはり「明日が見える」安心感でしょうか。派遣では、契約は3ヵ月毎だったので、いくら長期と言われていても、見えるのはとりあえず3ヵ月先まで。扶養を外れた時から、仕事がなくなったらどうしたらいいんだろう…という不安とずっと隣り合わせでしたから(まぁ、ひとりで生活費を稼いでる訳ではないにせよ、税金&社会保険料&年金は収入がなくても払い続けないといけないので)
仕事面では、派遣の扱いも会社やセクションによって色々ですが、私のいるところは、派遣にさせるのは業者との応対まで。著者とのやり取りは社員でないと、という雰囲気でした(つまり、派遣はメールアドレスを貰えない)
私に正社員の声がかかったのは、もう「ラッキー」という言葉でしか説明がつかないのはもちろんですが、人を探していたけど見つからなかったから、という会社側の都合とともに、もっと仕事を丸投げしたい、という意向もあったのだろうと思います。会社によっては、派遣でも丸投げされますから、やっぱりラッキーなんですけどね。
次の本(もう始まっている)は、企画書と最初のもろもろは上司がやってくれましたが、後は先生との交渉から何から何までやらせてもらえる、らしいです。そして、その次の本からは多分、企画書の段階からすべて任されるんでしょう。そこまで全部自分でできるようになって初めて、正社員としての資格があるといいますか。
この歳になって、新しいことに挑戦させてもらえて、日々勉強の機会を与えてもらえるというのは、本当に幸せなことです。しかも、もちろん、丸投げで放っておかれるのではなく、上司の完璧な仕事ぶりを見ながら、教えて貰いながら、ですから。
小さい頃から本が好きだったけれど、「本に関わる仕事がしたい」と漠然とでも考えていた訳ではありませんでした。仕事を始めてからはやはり、本作りの一端にでも関われたら、と思っていましたが、今のような立場になることがあろうとまでは、さすがの私も夢にも^^;
考えてみると、編集者というのは、唯一、本作りの全ての工程をみることのできる仕事なんですね。著者でさえも、原稿を渡したらあとは「作ってもらう」感覚ではないでしょうか。著者校正とかもちろんありますけど。校正者もデザイナーも、印刷会社も営業も、部分的にしか関わらない訳です。それを全部回していけるという意味では、楽しい仕事ですやはり^^ もちろん、あまりに忙しいとすぐに苦痛になってしまうけれど。
あとは…人間関係はね~ 人間関係が濃くてこじれて悩むよりは、そもそもこじれるべき人間関係そのものがない、方が気が楽だよ、と思ってはいるのですが。あまりに稀薄でね。
外資だしパーティションで囲われているし、という環境から、会社全体の雰囲気としてもそういう傾向ですが、それなりにおじ様たちには「飲みニケーション」があり、女性社員にもOLらしい付き合いも、あるようですが。
40代以上の女性社員がいない訳ではないけれど、そういう方たちは例外なくマネジャークラスなので、気やすくお付き合いはできないし、かといって、若い人たちと気楽に付き合うにはお互い遠慮がある。
その上、囲われているからお互い顔も見えず、仕事も忙しいしで、まず雑談でもするような機会そのものがありません。
派遣にしろ社員にしろ、私より後から入った女性でも、そういう環境下でも、派遣と社員の垣根もセクションの垣根も越え、広い人間関係を築いている人たちもいますが、それができるほど外交的でない上に、年齢と派遣出身という壁があるし…
なので、派遣同士で楽しくやっていた時と比べると(彼女たちももう契約終了してしまったし)ちょっと寂しいかな~とは思いますが。
でも、セクションの同僚たちは、ほんっとにいい子ばっかりなので(子って…失礼)、毎日気持ち良く過ごさせては貰っています。
来週末には席替えもあり、社員として一番下っ端の席に移動するので、ばんばん電話も取らないといけないし(今は派遣時代の席で、外線が鳴らない)、それでなくてもこれから、先生方の応対に頭を悩ませる日々になるでしょうから…
そうそう、今日の日経土曜版1面のアンケートは「女性派遣社員が働きやすい職場」だったんですが、横に正社員に聞いた結果が載っていました。1位は「干渉されない」。仕事では協力しても私生活には踏み込まずべたべたしないのが良い。外資系なら、過干渉な日本的社会と違って人間関係がスムーズ、とありました。これって、理想的じゃないですか、今の私の職場^^
という訳で、出入りの激しい会社でもあるし、私自身いつまでついて行けるか?という一抹の不安はあるものの、とりあえず落ち着きましたね。何というか、やはり卒業後正社員経験なく結婚しましたから、結婚はしても一向に親から自立した、という感覚がなかったのですが、やっと自立できたという思いがあります。色んな意味でね。やっぱり働くなら正社員です。これは、娘にも言い続けたいなと思います。
宝塚との関わりでいうと、もうこうなっちゃったら、宝塚を何をおいても優先に、てことは不可能になった訳ですが、不思議とそれは構わないという気持ちになりました。むしろ、経済的にも気持ち的にも余裕を持って、応援して行けるかなと。いざという時には、いくらハードでも乗り切れてしまうだけのエネルギーが出るものだし^^; まあ、体力と環境(これは親のこととか)の許す限り、この生活を続けて行ければと思っています。
長々と書いて参りましたが、10回でとりあえず完結^^
お付き合い下さいました皆さま、ありがとうございましたm(__)m
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