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2008.02.10

2008年読了記録7:『四十でがんになってから』

Photo岸本葉子著、文春文庫。
私は、いわゆる闘病記の類の本は、ほとんど読みません。いままで読んだのは、千葉敦子さんの本と、ダカーポの股関節手術の本くらいでしょうか。
それも、千葉さんの本は確か、アイムの講座か何かの課題図書で読んだのですし、股関節はまぁ、自分のことですから…

岸本葉子さんは、以前から好きなエッセイストさんでした。多分、日経夕刊にコラムを連載してらしたのを読んだのが最初の出会いだったかも知れません。
以降、何冊かエッセイを買って読み…、でも何年か前にがんになられた、ということを知ってからは、何となくそのことについて書かれた本を手に取ることを避けてしまっていました。イコール岸本さんの本を読んでなかったということですね。
そうしたら、この本の中に、まさにそういうことが書いてありました。読者の中にはやはり、がんと知って本を読むのをためらってしまった人がいたようで。そして、そういうことを岸本さんご自身も危惧しておられたことも知りました。

私が今回、この本を見つけて手に取ったのは、同居の家族ではないけれど、身近な親族にがん患者…それも岸本さんと似たケースの…がいる身になったからです。
同じように手術を受け、いまは抗がん剤治療中の身で。まぁ年齢は全然違いますけれど。

岸本さんは、論理的かつ冷静に、そしていつも通りの軽い筆致で書いておられますが、やはり内容は重いですね。
がんはいまや、死に至る病ではない。でも、一度罹ったら、5年を無事に過ごせたとしても、やはり、「死」というものを、罹ったことのない人よりも、絶対に意識しながら生きて行くことになる。
それが壮年期の発病なら、余計重いでしょうが、でも高齢で発病してもその意識は同じことでしょう。

中でも、私が、ああ分かっていなかったな…と思ったのは、岸本さんが実践しておられる、厳格な食事療法のくだりでした。
本当に厳しい条件の下で実践しておられるので、それを守らなきゃ、ということがかえってストレスにならないのかしら、と思いつつ読み進めていたのですが…、(以下引用です)
『がん患者においては、何をしてもいい状態が、すなわちストレスのない状態ではけっしてない。むしろ(再発の)リスクがありながら、それに対し「何もしていない」ことが焦りをつのらせる。「何かしている」と感じられるもののある方が、心はよほど安定する。』
そうなのですね…
ならば、いま、アガリクスを飲んでもらっているのも、何かの支えにはなっているかな?と思ったりもしました…

あとは、壮年期の働く女性が、がんを抱えながら生きていくということ…その細々とした日常が綴られていて、その重さ…色々なことを考えさせられました。

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受信: 2008.02.11 23:26

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