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2005.01.17

経験した者と経験していない者

阪神淡路大震災から、今日で10年になりました。
そして今年は、戦後60年の年でもあります。

私の母は、戦災を経験したか経験していないかで、天と地ほどの違いがある、とよく言っていました。
(母は地方都市出身なので、空襲で家を失い、大変な戦後時代を過ごしましたが、父はそういう苦労をしていません)
震災後、大学時代の神戸の友人が送ってくれた手記の中で、彼女も同じようなことを言っていたのを思い出します。
彼女のお母さんも戦災に遭われていて、でもいくら話を聞いても、お母さんの思いを完全に共有することは叶わなかった。それが、奇しくも震災という経験を共有したことで、本当に母の思いを理解することができたと。
同時に、やはり震災を経験したか経験していないかで、越えられない違いがあるように思う、とも…

私は本当に温かくない人間なのでーー、母から戦争の話を聞かされるたびに(子供の頃はそれこそ、耳にたこができる程聞かされましたから)、あーまたその話かー、なんて思ったりしたものです。
ですから友人の、お母さんに対する優しい思いに感動しましたが、同時に、どんなにしたって、私は「経験していない者」でしかないのだという思いに、胸が塞がったのを覚えています。

とは言え、すべての人が、すべての経験を共有することは不可能です。
ならば、経験していない者にできることは、何でしょうか。
それは、決して忘れてはいけない、ということ。そして、祈り続けること。それしかないと思いながら過ごした、今日でした。

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