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2004.08.28

男役の魅力

宝塚のスターさんの魅力を表すのに、よく「歌」「ダンス」「芝居」という言葉が使われます。ミュージカルやレビューを上演する劇団なのだから、当然ですが。そして、ご贔屓のスターさんの「歌」「ダンス」「芝居」どれが一番好きですか?というのも良くある質問(別に具体的に誰かに訊かれる訳ではないが…(--;)
この質問、ご贔屓がタータン(香寿たつき)だった時は、どうにも答えるのが難しかったのです。いわゆる「芸で見せる」タイプだった彼女、歌もダンスも芝居も三拍子揃った…という形容をよくされていたけれど、ファンから見ても、本当にどれも魅力的で、何を選べば良いのかいつも迷いました。結局、最初の数年は「歌」、でも卒業間近の頃は「ダンス」だったかなぁ。「歌」には声のすべてが含まれ、「ダンス」には立居振舞いのすべてが含まれていました。

いま、真飛さん(真飛聖)のファンになって、さて私は彼女のどこが好きなのだろう…と考えてみたのですが。「歌」?「ダンス」?「芝居」?…また違った意味で選びにくいというか。
だって、真飛さんは歌手でもダンサーでもない。バレエ歴は長いようだけれど、ダンスの腕は「そこそこ」だと思うし、歌に至っては、歌えるようになってきたのは最近のことではないかと…。もちろんもちろん、歌もダンスも下手ではありませんよ。でもそれを「芸」として見せられるレベルには至っていないだろうということです。(最近、時々「実力派」と評されているのを読むとくすぐったい(^^;)
ならば、あえてどれか選ぶとすると、「芝居」ってことになるんでしょうねぇ。確かに、最初に私が彼女を意識したのは「黄金のファラオ」(2000年)のパキ役なのですが、短い場面ながら印象に残るものがあって、その時は「あ、いい芝居する子だなあ」という感想だったのでした。
多分、演技のセンスはとても良いものを持っておられるのでしょう。何というか、とても自然に舞台に存在していられるというか。宝塚の男役だから、形で見せないといけない部分もあるし、作り込まないといけない。でも、そればっかりが目立ってしまうと、とてもうわべだけになってしまう。難しいですよね。

タータンの場合は、本人も「芝居が一番苦手だった」と語っておられるのを読んだ記憶がありますが、決して器用な人ではないので、作って作って努力して、結果、卒業作品「ガラスの風景」のジョーイのような、自然体の男役を作り上げた。自然に見えていて、実はとことん作り込まれている。でも、芝居の「うまさ」で、作為を感じさせない。それはすごいことだと思います。
そう考えると、真飛さんは逆なのかなあ。まず自然に舞台に存在していて、形はあとからついてくる。今のところ、そういう印象を受けるのです。それも才能ですよね。加えて、「自然」だから芝居が「浅い」ということではなくて、役柄の黒白に関係なく、芝居は「濃い」(笑)
「濃い」…それが私のキーワードだったのね、といまは分かります(^^;
芝居心があれば、きっと歌もダンスも、伝わるものがあるでしょうから。それに期待して。次の公演を待ちたいと思います。
大人しく、東京で待っていられるのかどうか…?自信はありません(--)

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