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2004.04.14

「屋根の上のヴァイオリン弾き」

東京芸術劇場公演を、4回観ました。
私は以前の舞台は観たことがなく、映画のDVDを借りて見たのが唯一の事前学習です。
映画を見ての感想は、「暗い、重い」…。最後、アナテフカを追われる村人たちの列を見て何ともやりきれない思いになりました。音楽は素晴らしく、何も予備知識のなかった私も、「サンライズ・サンセット」は耳になじみがありました。

そして今回の舞台。最初のうちこそ、映画の映像がちらついたりしましたが、回を重ねるにつれ、いつものことですが舞台の魅力にどっぷり。
最後に村人たちがアナテフカを去るシーン。舞台背景の空を円くかたどっていた吊り物が、村人が去るのに合わせて一つずつ取り払われ、最後にテヴィエ一家が残ったときには、舞台のホリゾントいっぱいに夕焼け空が広がっています。夕日の中を、最後は黒いシルエットとなってテヴィエ一家とヴァイオリン弾きが去っていく…。この演出がとても好きでした。広い空は「新世界」を感じさせ、テヴィエには、運命を毅然として受け入れる強さを感じました。力強さを感じさせる幕切れが、その音楽とともに心に残っています。

テヴィエを演じた市村正親さん。年末のリチャード三世にかなりはまってしまったので楽しみにしていたのですが、今回は歌もたっぷり聴けて、ミュージカルスターとしての市村さんの魅力を改めて思い知りました。リチャード同様、目に力のあるテヴィエでした。歌も本当に素晴らしい。彼の舞台は、昔々、若き日の四季時代の「エクウス」を、多分観ているのですが、市村さんのファントムを観たかった…と思います。
ゴールデを演じた夏木マリさんとのデュエット「愛してるかい?」あたりから、毎回涙涙でした。

タータン(香寿たつき)演じるツァイテルのお相手、モーテルを演じた駒田一さんは、私は初めてだったのですが、本当にうまい方ですねぇ。プレビューから2回目を観たとき、また一段とヒートアップしているのにびっくり。あの情けなさといい、市村さんとのお芝居の「間」といい。そして「奇蹟の中の奇蹟」のナンバー、素晴らしかったです。
市村さんといい駒田さんといい、こんなにうまい方々がタータンのお相手で本当に良かった。

…という肝心のタータンについてですが、どうしてもファンゆえに色々と思うところはありまして(^^;
タータンのツァイテルは、よく笑いよく泣き、とっても生き生きと舞台に息づいていました。前髪を下ろしたロングヘアがあんなに似合うとは思わなかったし(^^)、台詞や歌のないところでも、いつものことながら、全身で感情を表現してるって感じ?
ただ、私はプレビュー公演での、ちょっと緊張気味の、おとなしめのツァイテルが、実は一番好きだったのですが(^^;
あと、やはり課題は歌だと思いました。もちろんちゃんと歌えているのですが、宝塚の男役時代のあのつやのある中音の魅力…からすると、ミュージカル女優としてはまだまだこれから、って印象です。歌声にしろ台詞の声にしろ、男役タータンの「声」にはまった身からすると、女優の彼女のことは、本当に別のものとして観なければいけないのだなあと思うと、やはり寂しい…。
ダンスについては、さすがに鍛え方が違うのか、姿勢のよさも人一倍、ダンスまでいかなくても、ちょっとした動きに至るまでとても綺麗でした。リフトもされてるし(^^; タータン、軽そう…(^^)
そして、これは女優になっても変わらない魅力、市村さんの「目力」ではありませんが、相手役さんを見つめる、あのまなざしです。それが、1年ちょっと前とは逆の立場になっているのが何とも不思議だったりしますが、一途にモーテルを見つめる目は、もうすっかりさまになっていました。

今回の舞台、タータンが出てるから、だけじゃなく、カンパニー全体としてとても好きだったので、これから全国を回るうちにまた進化していくだろうと思うと、その行方を見届けたい思いもあります…が、タータンが宝塚を辞めた時点で、もう「追っかけ」はやめようと決意したので(だから今回も出待ちとか、一切してません)、やはり昨日の東京楽で見納めとします。(ここで宣言しとかないと(^^;)
夏のWSSも待ってるし、秋には市村&笹本バージョンの「ミス・サイゴン」を、何とかして観に行こうかと思っています。

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